生まれ清まり舞い踊り
うれしたのしの世が開く
「富士浅間 木の花祭り」は、愛知県奥三河地方の東栄町で700年以上続いていると云われる国の重要無形民俗文化財「花祭(はなまつり)」を富士の地で継承し、人々がうれしたのしと舞い踊って、地球の新たな時代の幕開けを祝うお祭りです。
「花祭」とは
花祭は、鎌倉時代末期から室町時代にかけて奥三河へやってきた熊野の修験者たちが、修験道の教義である「人間は修業によって生まれ変わった新しい人格へと自らを再生することができる」ということを、当時都で流行っていた歌や舞を通して村人たちにわかりやすく演じてみせたことが始まりと云われています。
以来、花祭は「神人和合」「五穀豊穣」「無病息災」を祈る祭りとして、形を変えながら脈々と受け継がれてきました。
祭りは神仏を舞庭(まいど)と呼ばれる祭場に招き降ろす神事に始まり、舞手たちが夜を徹してさまざまな舞を舞ったのち、再び神仏を送り返す「神返し」で幕を閉じます。滝から汲みあげた神聖な水を舞庭の中央にある釜戸で焚き、その蒸気は「ゆぶた」と呼ばれる天井の飾りへと立ち昇り、そこに神事で招き降ろした神仏が宿ります。
花祭の最大の特色は、人と神仏との共演による「生まれ清まり」にあります。
舞は、太鼓と笛と舞手の三位一体で表現され、同じ所作を繰り返し舞うことで、重ね重ね神々に捧げる心を表しています。日本の祭りの多くは見る祭り、見せる祭りですが、花祭では観客も歌ぐらを歌い、掛け声をかけ、舞手を囲んで共に舞い踊ります。舞手たちは降臨した神仏の依り代となり、人々は神仏の顕現した舞手と共に舞うことで穢れを祓い清められ、新たな生命力を授かるのです。それは人間と神仏との盛大な交遊の場であり、新しい自分への再生の場です。
また、山を割り浄土を開く山見鬼(やまみおに)、大地に生命力を吹き込む榊鬼(さかきおに)など、多くの鬼が登場するのも花祭の特徴の一つです。中でも榊鬼と呼ばれる鬼の総大将は、寒い冬の間に大地の奥深くに沈み込んだ生命力を呼び覚ますものとして、数いる鬼の中でももっとも大切な存在とされています。
「富士浅間木の花祭り」の誕生
現代の日本では、鬼は災いをもたらす存在として忌み嫌われ、節分には「鬼は外、福は内」と言って豆まきをします。しかし実は、鬼は一年に一度、人々の心の中にある闇を照らしにやって来るのです。道を踏み外そうとしている人々の心の闇に光を当て、それが何であるかをわからせ、心の大掃除をして元の道へと還ることを教えてくれているのですが、自分の心の闇から目を背ける人々にとってそれは疎ましく、鬼こそが災いの元であると思えるのでした。
木の花ファミリーでは、創立初期の頃より毎年2月3日に、東栄町の花祭の要素を取り入れた節分祭を行い、鬼への敬意を込めて「鬼は内、福も内」と豆まきをしてきました。2012年、そんなファミリーの様子を長年見ていた花祭研究家の方より、富士の地で花祭を継承しないかというお話が持ち掛けられました。
花祭には、数いる鬼の中でも最も重要な存在である榊鬼と、人間である翁とが問答をする場面があります。その問答の中に、「やいやい。伊勢天照皇大神、熊野権現、富士浅間、ところは当初の氏大神」と、富士浅間の名が出てくるのです。
富士の地は、奥三河から見て鬼門にあたる艮の方角にあります。この方角は、はるか昔に国之常立大神(くにのとこたちのおおかみ)という地球創造の神様が封印された方角でもあります。昔々の神代の時代、自由気ままに振る舞おうとする八百万(やおよろず)の神々に、世を乱さぬようにと心の掟を厳しく説いた国之常立大神は、その厳しさ故に八百万の神々から疎まれ、艮の方角に封印されたのでした。以来八百万の神々は好き勝手に振る舞い続け、世の中は荒れ放題に。それでも国之常立大神は、年に一度もっとも寒い時期に鬼の姿で現れては、人々の心の闇を浮かび上がらせ、光の方へといざなって来たのでした。
奥三河の山村で700年の間受け継がれ、数多くの鬼が登場する花祭。この伝統ある祭りを、地球神・国之常立大神の眠る艮の方角で受け継いだ富士浅間木の花祭りでは、封印されていた大神様が光り輝く「艮の金神(うしとらのこんじん)」として復活し、舞い踊ります。それは、闇の中を彷徨っていた人々が真実に目覚め、光へと向かう新たな時代の幕開けを祝う地球全体のお祭りなのです。
→ 艮の金神が復活するまでの物語を描いた『木の花記〜金神様の巻〜』へ
みんなで歌い、舞い踊ろう!
この祭りの醍醐味は、何と言っても見るだけではなく参加することにあります。舞庭を取り囲む観客は「セイト衆」と呼ばれ、舞手と共に祭りの主役となる存在です。ぜひみなさんも参加してみてください!
生まれ清まりの場として
花祭りには、子どもたちが踊るかわいらしい「花の舞」から、少年たちによる三つ舞、若手女性4人による華やかな「四ツ舞」、ユーモアいっぱいに場を盛り上げる「女郎ばやし」など、様々な舞があります。
歌う
祭事では、小さな子どもから大人によるものまで様々な舞があり、それらは全て太鼓と笛の音によって進行します。太鼓は舞の進行や強弱を構成する大きな要素であり、そこに笛の音色と歌ぐらが加わって祭場全体に立体的な楽曲が響きわたります。
歌ぐらは五・七・五・七・七調で上の句と下の句に分かれ、東栄町の花祭にて歌い継がれてきたものから木の花ファミリー独自のものまで様々な歌詞があります。会場で歌詞をお配りしていますので、上の句に続いて下の句を歌ってみてください。
また「テホトヘトホヘ」という独特の掛け声が祭りを大きく盛り上げます。ファミリーと一緒に、ぜひ掛け声をかけてみてください!
踊る
花祭は、人と神仏の盛大な交遊による“生まれ清まり”の祭りです。神仏の依代となった舞手たちと一緒に舞い踊ることで、人々は穢れを祓い清められ、新しい自分へと生まれ変わります。
富士浅間木の花祭りでは、舞庭の中央にある釜戸に、滝から汲み上げた水の代わりに世界各地の御神水が注がれます。そして聖なる火で焚かれることで各地の水が一つに溶け合い、その釜戸を囲んで繰り返し繰り返し舞い踊ることで、人々の心もまた一つに溶け合っていくのです。
初めての方でも大丈夫!復活した地球神と共に、調和の響きを響かせてうれしたのしと舞い踊り、地球の生まれ変わりを盛大に祝いましょう!
花見舞(寄付金)のお願い
木の花祭り運営のため、ご来場いただいた方にはお一人様千円以上のご厚志をお願いしております。お寄せいただいた花見舞は、開催経費や道具の維持に使わせていただきます。花見舞をお寄せいただいた方には、粗品又は直会(なおらい)券を贈呈させていただきます。
*直会券・・・屋外の売店にてご利用いただけるお食事券です。